当社では河川の高水流量や低水流量の観測を行っております。この観測結果は、河川事業の根幹をなす治水・利水・環境計画の基礎となる重要な役割を果しております。観測者として責任を持った調査をモットーに精度の高い観測データの提供に努めています。
とっさの判断が九死に一生を得る 既往最大のS61洪水では、社員総出で流観と痕跡調査の対応にあたった。なかでも、千代橋での高水流観は忘れられない体験であった。第一断面の見通し員が橋の異変(振動)に気づき、急いで浮子投下者に知らせ一時観測を中止した。間もなくして橋は落ち、九死に一生を得た。あれから20年以上の歳月が経ったが、熟練技術者から若手技術者に当時の体験は受け継がれ、日頃から現場を通して状況判断の感性を磨いています。
交通量や渋滞状況などのデータは、今後の道路計画・道路整備・事業効果などの検討を行う上で重要な役割を担っています。当社では交差点交通量・断面交通量・渋滞長などの交通量調査を行っております。また、最近ではモバトラ(可搬型交通量自動計測装置)による交通量調査やプローブカー(GPSの測位計測機能を搭載した車両)による旅行速度調査なども行っております。
損傷や落下等の恐れのある道路附帯物(照明・標識等)は、第三者に被害を与えないようなるべく早期に発見する必要があります。当社では道路に設置している道路ストック(道路標識、道路照明施設、道路情報提供装置、道路情報収集装置等)の支柱や取付部等の点検調査実施しております。その後点検調査結果は、発見された損傷の内容に応じて適切な措置を行い、事故の防止と安全で円滑な交通の確保に役立つものと考えています。
軟弱な地盤上に建物や盛土などの構造物を施工した場合、構造物の重さ(自重)あるいは工事車両や施工後交通荷重の振動などによって沈下やすべり破壊が生じ、構造物に変形が生じる恐れがあります。また、周辺の地盤や諸施設にも悪影響を与えることもあります。
当社では今後の地盤状況の変状などを分析するための基礎資料として、地盤高の変位(鉛直方向・水平方向)や地盤下の地層変化(挿入式孔内傾斜計・層別沈下計)などの動態を定期的に観測しております。また、観測結果は目的に応じて整理し、今後の解析業務に提供しております。
水文資料の整理
水文資料の整理として、当社では主に国土交通省が公表している雨量、水位、地下水位等のデータの照査を行っております。照査内容(標準照査)としては,疑わしいデータを自動抽出(AQC)し、さらに抽出されたデータを自記紙、点検記録簿、近隣観測所のデータ等との照査(MQC)を実施しています。照査完了のデータは、事務所端末の水文水質データベースへの登録も併せて行っています。
水位流量曲線作成
当社では河川の水位・流量の実測値を基に水位流量曲線式の作成を行っております。水位流量曲線式から得られる計算流量は、河川の計画や管理をする上で重要なデータの一つであり、社内照査を徹底し、精度向上に努めています。
当社では土木設計・建築設計に必要な地盤情報を得るため、各種調査を行っています。地質調査の項目としては、機械ボーリング・標準貫入試験・サウンディング試験・孔内水平載荷試験・サンプリングなどの現場試験をはじめ、密度・含水比・粒度・せん断試験などの室内試験まで、調査目的に応じて幅広い地質調査を行っています。